[レポート] B-4 公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

[レポート] B-4 公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

Clock Icon2022.12.13

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『B-4 公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤

[登壇者]
・米谷 和馬氏(Classi株式会社 小中事業開発部/プロダクトマネージャー)

[セッション概要]
2022年4月にリリースした保護者連絡サービス「tetoru」は、一人の保護者としての素朴な疑問をきっかけに立ち上がりました。

機能の星取表のようなスペック勝負になりがちなBtoG市場において、意思決定者である教育委員会と、エンドユーザーである先生や保護者にも価値を感じてもらえる最小限のプロダクトをつくるために試行錯誤してきた軌跡をお話します。

(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

自己紹介

  • Classi株式会社 小中事業開発部 プロダクトマネージャ

tetoruについて

  • 幼稚園ではアプリで色々出来たのに、小学校では未だに連絡帳や電話なのはなぜ?
  • 自分が保護者のうちになんとかしたい
  • 2022年04月にtetoruをサービスイン:学校と保護者をつなぐコミュニケーションツール
  • 戦略上の位置づけ
    • Classi:高校x学習支援領域でシェア獲得 高校生の3人に1人
    • EDUCOM:小中学校x校務支援領域でシェア獲得 10000校
    • データテクノロジーを活用して「新しい学びが広がる未来の教育プラットフォーム」を創り、小中学校へ提供していくための一歩目
  • 「グッドデザイン賞 2022」を受賞

MVP検討の工夫

  • 公教育市場の特徴
    • 検討・意思決定
    • 配慮事項
    • 教育ICTの課題
  • ユーザーの課題・背景
    • 自治体や学校・教職員
      • 保護者対応の負担や働き方改革
      • 保護者連絡デジタル化の文科省通知
      • 低予算でサービスの選択肢が少ない
    • 保護者
      • 共働き家庭/デジタル世代の増加
      • 紙・電話・印鑑文化の負担感
      • コロナ禍におけるICTの公私格差の拡大
    • 学校現場にふさわしい保護者サービスを広く届けたい
  • バリュープロポジション
    • 背景・課題や各種リサーチを踏まえて、3つ設定
      • 基本機能無料:プラットフォーム戦略、スイッチングコスト低減
      • グループ会社製品との連携:競合が真似しづらい優位性、ビジョン実現とマネタイズ
      • 知見を活かした最適なUX:教育プロダクトの運営経験、保護者としての経験
  • MVPの機能選定
    • 先生と保護者のパネル調査で狩野モデル分析を実施、客観的に市場のニーズを把握
    • 学校/学級運営など先生の役職ごとのニーズの違いも明らかに
  • プロダクトの原型を抽出
    • ペルソナを元にプロダクトを通してやりとりする情報と流れを将来像も含めて整理
    • 先生のアクションで保護者が集まり、保護者のアクションで先生が集まる最小構成を抽出
    • →顧客への提供価値を押さえつつ、将来を見越したプロダクトの原型がMVP
  • 知見に基づく細部の進化
    • 教育系プロダクトに携わってきたからこそ気づけるアンチパターンの回避と新しいアプローチへのチャレンジ
      • 自己解決型のアカウント体系
      • 一度の登録で使い続けられるように
      • シームレスに利用出来るように
      • 校務支援システムのCSV取り込み
      • 年度やクラス編成の工夫
  • シンプルさを保つためのトレードオフ
    • 様々なユースケースの最大公約数を意識して手広く構えつつ、ユーザーの負担をデザイン/開発/CSのどこで吸収するかを判断

α〜β版のYWT

  • α版での大混乱
    • 主要機能でのPSFは検証出来たが、先生の認証で大混乱
    • コロナ禍のICT整備加速でもメールは普及しなかった事が判明
    • 振り返りのフレームワークYWT!やり方やKPTとの違いを解説 | One Stack
      • Y(やらかしたこと):先生の認証方式が全く受け入れられなかった
      • W(わかったこと):α版に飛びつく層でもフリーメールを利用/GoogleやMSのメールアドレスは配布されてもメーラーは開放されてない実態
      • T(次にやること):認証方法の大幅な見直し
  • β版に向けての仕上げ
    • 見込んでいた機能拡充は諦めて残課題のシューティング
    • ユーザーストーリーマッピングで俯瞰して抜け漏れの確認
  • β版の大失態
    • 新しい認証方式は問題無かったが、障害の多発で足元の甘さが露呈
    • 各種フローやドキュメントの整備に追われることに...
  • 当たり前品質も欠けた状態で不安を抱えたままのサービスイン...

サービスイン後の評価

  • 不安とは裏腹に大きなトラブルもなく順調な滑り出し
    • CS負荷軽減
    • SLGへの寄与
    • グロースの方向性
    • PLGへの兆し
  • ユーザーからの評価:概ね好評
  • 利用学校数:CSが戦々恐々とする勢いで増加中...

まとめ

  • 何が良かったのか
    • 顧客の課題を的確に解決できている
    • プロダクトをシンプルに保てた
    • バリュープロポジションが噛み合っている
  • 結果として、スペックでは比較されない「これでいい」を実現出来ていた
  • 最後にみなさんへ
    • 教育業界に限らず見落としている「これでいい」はまだあるはず
    • ここにいるみなさんの力を合わせて世の中をアップデートしていきましょう!

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤』の視聴レポートでした。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.